不景気と言う言葉

                                              平成21年4月25日

 

 現在、自動車産業をはじめ日本の経済は異常な状態が続き、新聞では「不景気」という言葉が載っていない日が無いくらいです。

 先日夜10時頃、名古屋からの帰宅途中、電車に乗っていますと、
「中京競馬場前の駅の付近で人身事故のため、この電車は金山駅で運転を見合わせます。」とのアナウンスが流れました。
どういう意味か分からず、そのまま乗っていると
「この電車は金山駅止まりとさせていただきます。」とのこと
金山駅に着き、指示に従い電車を降りました。
私は、10年ほど前にも名鉄電車に乗っている時に、乗っている電車自体が人身事故に遭い、電車が止まってしまい電車の中で1時間ほど待機していたことがありましたので、最低でも1時間くらいは待たされる覚悟でいました。
 次々と名古屋駅から来る電車が金山駅で運転見合わせとなり、職員さんに事情を説明してもらう人や、自分がいそいで豊橋へ向かわなければ行けないことを訴えている人など、いつになったら電車が走り出すのか心配で、お客さん達は騒然としていました。

 

 不景気もこれに似たものではないでしょうか。景気を電車に例えると、好景気の電車に乗っている人は予定通りに目的地に着くことが出来ますが、偶然、不景気という電車に乗っている人は、いつまでたっても目的地に着くことが出来ません。それどころか、目的地に着く事さえ出来るかどうか分からないのです。しかし、電車が事故に遭ったことを職員さんに訴えたところでどうにもならないのです。出来れば、電車に乗るときに好景気の電車なのか若しくは、不景気の電車なのかが分かればよいのですが、それは誰にも分かりません。「もしかしたら事故が起きるかもしれない」と事故が起こることを前提に心がけておく事が大切なのです。

 

 今回の不景気は、世界中で起きた大規模災害のようなものかもしれません。国などの公共機関を当てにしていても助けてくれる事はほんのわずかです。数年前に大地震で被害に遭われた方達も同じように絶望をしていたことでしょう。しかし、少しずつ助け合って復興をしてみえます。
 好景気のまま続くことが無いのと同じで、不景気のまま続くこともありません。自分の会社の現状を受け入れ、将来を悲観することなく、明るい希望を持つことが大切です。こんな不景気な時代こそ経営者の腕の見せ所です。