円満の陰には

                                                   平成22年3月25日 
                                                                               
 太陽の日差しが少しずつあたたかくなり、桜の咲く季節となりました。春は、何かを始めたくなる季節でもあるそうです。
 私が税務の仕事に就いて、16年が経ちました。その間に多くの方々と出会い、そしてその方々に成長させていただきました。
 先日16年間おつきあいさせていただき、今の私を育ててくれた方に、次の言葉を教えていただきました。

 

   円満(えんまん)の 中(なか)で誰(だれ)かが怺(こら)えてる

 「仲良く見えるけど、本当は仲が悪いんだよ。」と言っているのではありません。組織を動かすのは人です。その組織に集まる人が、自分勝手に行動をしては、それは組織とは言えず、崩壊してしまうでしょう。その為、組織は必ず一つの意志に従わなければなりません。そんな時「私だけが我慢をしている」と思うのではなく、「円満に組織を維持して行くには、自分と同じように、もしくはそれ以上にみんな我慢をしているんだよ。だから、自分だけと思ってはいけないよ」と教えていてただきました。

 

 今、私は色々な組織に所属をさせていただいております。岡崎商工会議所の青年部、東海税理士会、TKC全国会、TAC株式会社、租税法務学会、九久平自治区などそれぞれの組織の中で、私が役に立っているのか分かりませんが、人に助けてもらいながら続けさせていただいております。最初の頃は組織の中に身を置く事を否定的に考える事もありました。無理難題を言われると、忙しい中で本当に続ける意味があるのかと思う事もあり、自分だけの世界観で仕事をしていく方が良いと考えていました。しかし今思えば、それは自分勝手な、まさに「井の中の蛙」の考えだったのです。様々な課題も私だけに与えられた物ではなく、それぞれ順番に巡ってきただけで、それを乗り越える事が自分を成長させる事につながって行くものだったのです。

 

 人は一人の力で何事も起こす事は出来ず、一人だけで生きているのではありません。必ず、多くの人達と助け合って生きているのです。人との関わり合いをせずに生活をすることは出来ません。特に企業はチームワークが無ければ、全ての事が成り立たなくなってしまう事でしょう。
 
 人は、人と人との間に立って初めて人間となる事が出来る。人のままでは、他の動物と変わりが無くなってしまうのです。人との関わりを嫌がらず、人との出会いを大切にし楽しみながら生活をする事が、自分を成長させ、そして心を豊かにする事が出来るのでしょう。