志を持つための三つの条件

                                                            平成25年11月25日

 

  経済人などの伝記小説で知られる小島直記先生は、「志には三つの条件がある」と言われています。

 

1.「人生にテーマを持つこと」

 私達は定められた目的を持って生まれてきた訳ではありません。今の仕事を「天職」と思っている人もいれば、「適していない」と考えている人もいるでしょう。生まれ育った地域、家庭環境、経済的な問題などよって今の職場を選び、そして家族のため、生活のためなど様々な理由を抱えながら、今を生きているのではないでしょうか。「私のしたかった事は、こんな事では無かった」と言うのは簡単です。しかし、今の環境は完全な強制によって作られたものでは有りません。必ず自らの意志が入っているはずです。決して人のせいにしてはいけないし、またそれを言っていても何も変わらないのです。ならば、自らの人生のテーマを掲げてみようではありませんか。今の年齢を気にせず、これから限りの有る人生をどう生きるか。どうせ最後は一緒なんですから、誰にも気兼ねすることなく、自らの人生を、自らの責任において作ってはみませんか。

 

2.「生きる原理原則を持つこと」

 原理原則というと、何か難しい言葉に感じるかもしれませんが、当たり前のことが起こると理解をしてみて下さい。水は高いところから低いところへ流れていく。この当たり前の事を、逆に考えたところで変わる物ではない。人の流れも、時代の流れも同じように、必ず原理原則が存在するのです。自分のわがままからこの流れに逆らおうとすると、必ずそれに対して大きな力で、自らを滅ぼすこととなるのです。だからこの原理原則を知るために勉強をしなければならない。先人達が残してくれている記録や、口伝えを知らなければならないのです。

 

3.「言行一致」

 そのままをとらえれば、言ったことは実行する。つまり有言実行ととらえる人もいるかもしれません。しかし、これはもっと奥が深いのです。人生のテーマを持ち、生きる原理原則を学んだのであれば、これを実行しないでいては、それは知らないと同じだと理解をして下さい。良きことを知ったならば、これを必ず実行する。なかなか大変なことです。一流の人間になるのであれば、これくらいの厳しさがあって初めて道が開かれるのだと小島直記先生は言っています。

 

 企業は経営者の志によって、その大きさが決まると言われています。経営者の志が育つ前に、収益だけが伸びたとしたら、それは運良く膨らんだだけで、すぐに泡となって消えていくと思っていた方が良いかもしれませんね。