租税教室に臨む
                                                            平成26年12月25日

 先日、岡崎市内の中学校と小学校へ「租税教育」に出向いてきました。
 租税教育とは、次代を担う児童・生徒が、民主主義の根幹である租税の意義や役割を正しく理解し、社会の構成員として税金を納め、その使い道に関心を持ち、さらには納税者として社会や国の在り方を主体的に考えるという自覚を育てることを目的としています。(国税庁ホームページより)

 子ども達に税金の使い道として、警察署、消防署、市役所など様々な公共機関に費用が使われる事、そして学校では多くの税金が使われている事、そして、だからこそ少しずつ税金を出し合って、社会を支え合うことが必要であると説明します。
 税金の仕組みは、民主主義で成り立っている日本にとってはとても大切な教えであり、税金によって世の中が成り立っている事を理解する必要があるのです。

 子ども達に税金の必要性を説明しますと、ほとんどの子が「税金は必要である」と理解します。しかし、私の教室ではここで終わりません。税金は必要です。しかし、もっと大切なことは、この国では自分達一人一人が主人公である事も理解しなければいけません。国の行く末を他人に任せるだけでなく、自らも参加する。これを「国民主権」と言うのです。民主主義国家は、国民の一人一人が考え、意見を出し、そして自らも政治に参加する。政治に参加すると言っても、議員になれと言っているのではありません。政治に対して関心を示し、自分の意見を持てるように勉強をすることを言うのです。アメリカのケネディー大統領は「我が同胞アメリカ国民よ、国が諸君のために何が出来るかを問うのではなく、諸君が国のために何が出来るかを問いてほしい。」と演説されました。不平不満なら誰でも言える、ではどうするかを考える事が必要だと。

 最後に、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユサフザイさんはなぜ昨年銃で撃たれた思いますか。
 それは教育は国の指導者にとって都合が悪いからです。マララさんは「・・・・なぜ「強い」といわれる国々は、戦争を生み出す力があるのに、平和をもたらすことにかけては弱いのでしょうか。なぜ、銃を与えることは簡単なのに、本を与えることは難しいのでしょうか。なぜ戦車をつくることはとても簡単で、学校を建てることはとても難しいのでしょうか。・・・・世界の指導者たちは、発展途上国の子供たちが初等教育だけで十分だと思わないでください。自分たちの子供には、数学や科学、物理などをやらせていますよね。指導者たちは、全ての子供に対し、無料で、質の高い初等・中等教育を約束できるように、この機会を逃してはなりません。・・・・」と教育の重要性を訴えているのです。
 勉強は自分のためだけにするのではありません。ただ計算が出来れば良いわけでもなく、漢字を覚えていれば良いわけでもありません。家族、友だち、そして社会に役立てる事が目的なのです。是非、これからも勉強を続けて家族や友だちを助ける事が出来ようにして下さい。
 これが出来れば、日本はもっと豊かで住みよい国になることが出来るはずです。