文化の違いを受け入れる?
平成28年1月25日
NHKのココロ部という番組からです。
コジマくんは高校生。クラスの学級委員です。今日、クラスに転校生が来ました。名前はエレナ。お父さんの仕事の都合でブラジルから日本にやってきました。「ブラジルの人って何語を話すんだっけ。スペイン語かポルトガル語だったような気がしたけど…」。コジマくんがクラスメートのミキと話しています。
すると、「あれ?」。ミキがエレナを見ると、髪をかき上げたエレナの耳にピアスが見えました。「ねえ、あの子、耳にピアスしてない?」とミキ。「ほんとだ!」とコジマくん。「わたしエレナに言ってくる。だって転校してきたばかりなんだから、教えてあげなくちゃかわいそうでしょ」。
「あ、ちょ、ちょ…」。ミキについていくコジマくん。「エレナ、ちょっといいかな。それ、外したほうがいいよ」とミキがエレナに言いました。エレナはきょとんとしています。「これこれ、ピ、ア、ス。校則だから外さないと」とミキ。でもエレナは“校則”の意味がわからないようです。「この学校には、ピアスや指輪やネックレスをしちゃいけないっていうルールがあるの。だから今すぐ外したほうがいいよ」とミキ。ところがエレナは「いやです」と言いました。「わたしの国では、女の子、ピアスしてます。だからいやです」。
ムッとしたミキは、「コジマ、エレナにピアスを外すように言って」と言いました。「えっ。なんでぼくが?!」。「だって学級委員でしょ。わたし前に学校にピアスしてきたとき、先生にすごく注意されたんだから」。「え…あ…」とおろおろするコジマくん。すると、「わたしの国では、学校でもピアスしてます」とエレナが言います。「でもこの学校ではしちゃいけないの」とミキ。「わたし、します」。「しない!」。「します」。「しない!」。 あわてて言い合いをなだめようとするコジマくん、「コジマもちゃんと言ってよ!」とミキに言われ、『え~っ。どうしよう…』となやみます。
さあ、キミがコジマくんの立場ならどうする?
このお話を、私の息子が学校で道徳の時間のテーマとして先生から与えられたそうです。
中学生の子ども達どころか、大人である私達でも考えさせられる内容ではないでしょうか。ルールを守る大切さは、子供の頃から厳しく教えられてきました。この流れは、今も変わっていないと思います。だからこそ、このような場面に遭遇したときに考えさせられるのです。
ルールを理解するときに、実は大切な事があります。それは、「ルールだから、そうするべきだ。」では、間違った方向へ向くことがある事です。このお話について、子供にこう話しました。「ブラジルの国の文化を理解した上で、その子の気持ちになって考えたか。」ルールを守ることで、深く考える事を放棄してしまうのは、大変愚かなことです。今まさにグローバル化が叫ばれる中にあるからこそ、物流や資金の流ればかりに目が行くのでは無く。お付き合いをする、その国の文化を含めて理解を示すことこそが、大切な世の中がすぐそこまできているのかもしれません。
大人である皆様も「さぁ、どうする?」