人の心も鍛えねば

                                                 平成21年11月25日
                                                                               
 新開発、新発見など様々なものが研究され開発をされていきます。
 先日、東京で行われた研修で「今よりもっと速いスピードで、IT機器を利用した開発は進みます。インターネットを利用して、外出先で経営者が自分のパソコンを持ち歩かなくても、他のパソコンから事務所に置いてある自分のパソコンを操作をできるようになります。それにより自分のパソコンを持ち歩かなくても良くなり、パソコンを堕としたり、盗まれる危険が無くなり、いつでも最新の業績が手に入るようになります、すぐにでも先生方のお客様に対応できるように御指導ください。」と言う話がありました。
 
 私が税理士事務所に就職したのが、平成6年のことであり、その頃は税理士事務所でお客さんの取引データを入力し、出力した結果を紙で渡している事がほとんどでした。申告書も税務署から送られてくる用紙を手で書いて提出をしておりました。先輩の税理士先生から言わせたら、昔は帳面もパソコンへの入力ではなく手書きだったよと言われそうですですが、とにかく税理士という業種は決まった書類を作成する技術職でありました。
 それが、20年も経たないうちにパソコンは各家庭でも利用されるほど安価となったため帳簿データはお客さんが入力し、そのデータを利用して検査し、申告書もインターネットを利用した電子申告となり「今やパソコンを操作することが出来ません」ではすまされない時代になってしまいました。

 

 しかし、時代の変化が全て良い方へと変わっていくとは限りません。例えば戦争の道具として使われた原子爆弾もその一つです。
 すべの発明は人の役に立つことを願って開発がされたものだと思います。原子爆弾の発明のきっかけとなったアインシュタインも、戦後日本に訪れて謝罪をしたそうです。結局の所道具は、使う側の人間に委ねられているのです。

 企業活動を行う上でも科学技術の発明品は必要不可欠です。経済発展につながり人間社会を豊かにすると言われていますが、人の心の発達を置き去りにした文化では足下から崩れていってしまうでしょう。しかし、心を鍛える事はすぐに出来るものではなく、時間を掛けていくしかないようです。では何をやったらよいのかというと答えはありません。昔の人からすると、やはり読書をすることだ言われているようです。子供の教育を改革する前に、そのお手本となる大人の社会の教育を改革し、大人がいわゆる人の鏡となるようにすれば、子供は自然とそれをまねるようになるものです。

 科学技術の発展は止めることは出来ません、だからこそ発展を求めて経済を豊かにする以上に、人の心を育てて生活を豊かにすることの方が、先なのかもしれませんね。