帳簿の大切さ

                                              平成21年3月25日

 

 私は、7年ほど前に豊田市の田舎町に中古住宅を購入しました。その家の庭には小学1年生の背丈ほどの庭木が植わっていましたが、私達には邪魔となり、掘り起こそうとしました。いざスコップで掘っていくのですが、なかなか掘り起こすことが出来ず父親に相談したところ、木の根はその木の枝の大きさと同じぐらいの大きさが有るとの事なのです。植物が生き残って行くには目に見えない部分もしっかりとした根を作っているようです。

 

 それと同じように、会社の経営も、売上の規模、従業員の人数、市場の大きさと同じくらいしっかりとした帳簿組織が必要になってきます。

 坂本孝司先生が書かれた「会計で会社を強くする」という本の中で「帳簿をしっかりとしたとしても直接売上が伸びることは有りません。しかし、帳簿をしっかりと整理することによって会社を倒産させないことが出来ます。」と有りました。経営は一つの失敗で会社を危機的状況に追い込むことが有ります。法律の上でも商法に「法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」と有ります。もし皆さんが取引先と訴訟となった場合には、10年分の帳簿を裁判所に開示しなければならないのです。税金を確定するために仕方なくやっている帳簿をやめ、自分達の身を守るための帳簿作りに変えていって下さい。

 その本の中に経営者の質を見極める、次のような事も書かれています。


 あなたの経費に対する判断としてどれを選択していますか?
1.「領収書が有ればなんでも経費にする。」というレベル
2.「税法的に見て合法的であれば経費にする。」というレベル
3.「たとえ税法上は合法であっても、ときにはあえて会社の支出とせず、   自分のポケットマネーから出す。」というレベル


 合法であるのと正しいことは同一でないことがあります。従業員を連れて「二次会は俺のおごりだ」と言って帰りに会社名義の領収書をもらっては、従業員も力を落とします。それなら、最初から見栄を張らない方が良いでしょう。
 あなたは、これからの時代を生き残るために、どれを選択しますか?