平成22年11月25日
つい先日まで暑くてしょうがなかったのに、気がつけばもう冬の気候となり、秋を感じる期間が大変短く感じました。こうした季節の流れの中で生活をしているのと同じように、経営も決して逆らう事の出来ない流れの中で行われています。
一つの出来事が自分にとって良い事なのか悪い事なのか考えるときに、皆さんはどのように物事を整理していきますか。おそらく物事を判断するときに他人と比較する事が多いと思います。こうした他人と比較する判断方法を「相対的な判断」と言われております。自分と他人とを比較して、メリット、デメリットを考えるのです。これに対して「絶対的な判断」と言うものがあります。絶対的とは、誰が見ても迷わず選択する事を言います。
「朝晩、とっても寒くなり、朝出かけるときに厚手のコートを着て出かける。」
寒くなったらコートを着る。雨が降ったら傘を差す。当たり前と思われる事を「絶対的な判断」と言うのです。ですから、絶対的なとは単なる流行でも、統計資料でもなく、人が人として当然に選択すべき事なのです。
皆さんも色々と勉強をされているとお気づきかと思いますが、結局は毎回同じ事を学んでいるはずなのです。「人のために、自分が出来る事は何か」と。
私は税理士業をさせていただいております。私達の業界はほんの少しの心のゆるみで間違った方向に行ってしまう事が多くあります。ある人にこういわれた事があります。
「将来、息子が商売を継いだときに、人から後ろ指を指される事のないように、私が間違った方向へ行かないように指導してください。」
これをお聞きしたとき、何が人に迷惑をかけ、どうする事で人のためになるのかを勉強しておかないと、本当の指導は出来ない事に気づいたのです。ただ数字だけを見つめて、同業者と比較をすることが仕事では無い事に。
人は大変弱い生き物です。ちょっとした事で、心のねじがゆるんでしまいます。これを維持していくために、講義を聴いたり、本を読んだりして自分を磨く事を怠ってはいけません。
仕事をする上で人と比較をして判断をする事は大切な事です。私も尊敬する人のまねをし、比較をして自己を高めるように努めています。しかし、世の中の流れを見るときには、絶対的な流れがある事も知っておかなければなりません。この絶対的な流れを知り、この流れに乗って経営を進める事がもっとも大切な事だと言えるのです。良くも悪くも、個人で流れに逆らう事は出来ず、この流れの中でいかに努力すべきかを考えなければならないからです。