平成22年9月25日
色々な発想は何気ない普段の生活の中にあるようです。道を歩いていて思いつく。車を運転していて発見する。ご飯を食べていて気がつく。私達の生活には、アイデアが生まれる材料が身近にあることを知らずに過ごしていることが多いのです。
最近はやりの「ポテトング。」 これはポテトチップスというお菓子を食べるときに、手を汚さずに食べることが出来るという商品です。この商品を開発した人は、友達が箸を使ってポテトチップスを食べている姿を見て思いついたそうです。
今私達の生活の中にある道具は、多くの人達の手によって生まれてきた「アイデア商品」であることには間違いありません。最近の大河ドラマで坂本龍馬を描いていますが、この明治維新の時代、ペリーが本国へ持ち帰った日本国の調査報告書には、次のように書かれていたそうです。
「日本国の技術者が、もっと自由な発想で製品を作ることができ、お金を稼ぐことが出来るようになったとしたら、すぐに私達の文明に追いついてしまうでしょう。」
ペリーは、この時代の日本の職人「匠の技」に、大変驚いていたそうです。
日本人の職人の技は、教えられて覚えられるものでは無いと言われていました。もともと、職人から技を受け継ぐには、「技を盗め」と言われており、現在のように職員研修をしたり、マニュアルを作ったりするような習慣はありませんでした。しかし、「技を盗め」の精神では企業が人財育成する際に、大変不合理で時間とお金がかかってしまい、現在のような研修制度のシステム取り入れる企業が増えてしまったようです。
しかし、この「技を盗め」の精神が失われるとともに、普段の生活からアイデアを出すように意識して生活をする人も減ってしまったようにも思えます。
脳を働かせて、自分にとって最高のアイデアを出そうとしたとき、そのアイデアは自分の今までの経験から生まれてきます。どんなに頭の良い人でも、経験をしたことの無い事について発想する事は、絶対に不可能です。多くのアイデアをお持ちの人は、普段からいろいろな事に興味を持ち、意識して物事を観察したりしています。また、本を読む事によって、擬似的な体験をする事でも、こうしたアイデアを生む事が可能となります。
日本の企業が失ってしまったものは、時間やお金の合理性を追求するあまり、本当の技術を受け継ぐシステムを失ってしまったのではないでしょうか。