判断力を養う
                                                              平成24年2月25日

 私達の生活は、その時々の判断の積み重ねで成り立っています。時間の制約が有る中で、最適の判断をしたいと思うことは、誰しも考えることでしょう。しかし、なかなかそうはいかないのが現実です。色々と迷ったり、悩んだりして時間ばかりが過ぎていくことも多いのではないでしょうか。特に、現在のようなインターネット等の情報社会と成りますと、様々な情報が安価で手に入る反面、これを選別するだけ多くの時間を要する事となっています。
 それでは、もの事を判断する上で知っておくべき事として、ものの考え方3原則(安岡正篤先生の教え)を御紹介します。

1.ものは、目先で見る場合と、長い目で見る場合が有ることを知る
 私達は、ついつい目先のことだけを考えて行動をしてしまいますが、これをずっと先の将来のことを含めて考えてみますと、考えが変わったり、悩んでいたことが解決することがあります。その瞬間の判断力と長期的な判断力の両方を養い、臨機応変に対応することが大切です。
2.ものは、一面的に見ず、多面的あるいは全面的に見ることを知る
 一方方向から見ただけでは、三角の形をしていても、これを横や上から見た場合には違う形がみえてくる。この世の中は、決して一方向から見て判断できるものは一つもありません。特に人となりを判断するときは、その人の一面だけ見るとか、他人の噂を鵜呑みにすることは、大変な間違いです。
3.ものは、枝葉末節で見ず、根本的に見ることを知る
 ある企画を計画する際に、初めは楽しく全員で計画を立てていたものが、だんだんと細部についての検討が特定の人に任されてくると、それが重荷と成ってきて、まるで自分だけが大変な思いをしていると感じてしまうことが有ります。特に経営者は、24時間、365日、企業のために自己を犠牲にしていますから、その疲れから知らないうちに根本を忘れてしまうことが有るのです。私のもとへ相談に来られるお客様は、税金の悩みで来られることが多いのですが、相談内容を聞くときは有る一時点の税金について説明をするのではなく、その人の先にある、将来や家族のこと、そして仕事おいて、その人の悩みはどこにあるのかをお聞きするようにしています。悩みは、税金の事だけでなく、その人を取り巻く環境に有ることが多いからです。

 この3原則は常日頃から心得ておかなければなりません。小さな判断の積み重ねで現在が有るように、結果には必ず原因が有るのです。これを知って生活をしていますと、様々な出来事を受け入れることが出来るようになり、自分に降りかかって来る悩みは、全て自分に有ること知ることが出来るようになります。そして、これが生活を豊かにする最も大切なことではないでしょうか。