臨機応変に対応 

                                                                 平成24年4月25日                                                                                 

 つい先日まで、暖かい陽差しと思っていましたが、今では暑いくらいの季節となってきました。季節の移り変わりは、必ず冬から春へ、そして夏へと必ず変化していきます。この変化し続ける事を「無常」と言われています。 私達が生きていく環境の中では、この変化し続ける事が、嬉しいことであり、辛いことでもあります。だからこそ、この変化に適応していくことが大切なのです。
 企業経営においては、こうした無限に変化し続ける環境に対して、いかにして適応していくか。そして、発展を続けていかなければなりません。しかし、この発展は、ただ売上や利益の増額だけを指すのではなく、企業を取り巻く環境に対しても気を配りながら発展しなければなりません。まさに、「正しい発展」を続けなければならないのです。
 では、「正しい発展」をするには何が必要でしょうか。中国の書物の中にこう書かれています。「ただ正しい発展を望んでみても、豊富な物資がなければ、その望みは果たせない。いくら物資が豊富であっても、優れた技術がなければ、その望みは果たせない。いくら技術が優れていも、人材を得なければ、その望みは果たせない。いくら人材を得ても、規律が厳しくなければ、その望みは果たせない。いくら規律が厳しくても、訓練が十分でなければ、その望みは果たせない。いくら訓練が十分であっても、周到な知識と情報がなければ、その望みは果たせない。また、いくら知識と情報があっても、臨機応変に対応しなければ、その望みは果たせない。」 中国の書物には、こうした国をまとめるための教えが、数多くある訳ですが、そのほとんどの教えの最後に「臨機応変に対応」とあるのです。
 私達の体は、季節の移り変わりに対して、自然に適応していきます。しかし、健康でなくなると、適応していくことが難しくなりますが、企業も同じで、企業が健康状態にあれば時代の流れや、外部環境の変化に対して、適応する事が出来るのです。そして、間違ってはいけないのは、企業の健康状態は数字だけで判断してはいけない。企業経営者のリーダーシップの力こそ、大きく影響しているのです。ですから、物資や人財、そして情報などが備わった企業であっても、最終的にはこれを臨機応変に使うリーダーシップが必要であると教えているのです。
 最終的な判断をする事は、大変な作業です。10人の人に相談をしても、100人の人に相談をしても、答えを出すのは自分であり、そしてその責任を自分で背負うのです。リーマンショックがあり、東北大震災があり、そしてTPPの問題があります。私に出来る事は、たいした事ではありませんが、今こそ、ニコッと笑って、「よしやってみるか」と思いを新たにしました。