1%ずつの成長
平成25年3月25日
桜の咲く季節となりました。桜が咲くと、そこに人が集まってきます。それは、春の訪れを楽しむ人や、桜の木の下で宴会を楽しむ人など、多くの方が訪れるています。
むかし、人が行き交う街道沿いに、大きな木が立っていました。その大きな木の下は、旅をする人達の休憩場所であり待ち合わせ場所となっていました。
そこで、人が集まるのならと、その大きな木の隣に団子屋を始めました。するとさらに人が集まるようになりました。こんなに人が集まるのならと、今度は宿屋を始めました。すると宿屋も繁盛したのです。これを見ていた人達が、色々なお店を出すようになり、そして街となったそうです。
大きな木は人を集める力があり、結果として街を築くまでになるとは思っていなかった事でしょう。
しかし、その大きな木にも寿命が有ります。寿命の尽きた木は、枯れて倒れてしまい、そこへ集まってきた人達は来なくなってしまいます。街が出来たのはその大きな木のおかげで有る事も忘れてしまうのです。
現在の私達は、先人達の苦労の末に出来上がった「大きな木」の下で生活をしています。その大きな木のおかげで生活が成り立っているのに、そのことを忘れ、いつしか自分の力だけで生活をしていると、勘違いをしている人達もいます。そしてその木の寿命が尽きようとしてから、慌てているのが現状です。 物流や情報技術の発展によるによる経済変化への対応、大災害への対応、そして環太平洋戦略的経済連携協定(通称「TPP」)による世界的な変化への対応と、様々な面で私達を守っていた大きな木の寿命が尽きようとしているのです。
この様な現状の時に、心が穏やかでない状態で心配ばかりし、慌てて計画を考えても結果として大きな失敗をするばかりです。時代の変化へ対応するには、今日明日に変わるのではなく、一日一日、ほんの少しずつ改善をしていく事が大切です。それはまるで、植物の成長のようにゆっくりと大きな木になれば良いのです。慌てて成長すれば、それはまるで一年で大きくなる「竹」と同じで、中は空洞になってしまいます。仕組みへの変化に人間が対応出来ず、企業の表面だけが変わっていくのですから、これではいつ倒れるとも限りません。だからといって、何もしなくて良い訳ではありません。出来ましたら、昨日より1%の成長を目標として下さい。1%ずつの成長は将来必ず大きな力となります。たった1%の成長ですから馬鹿にする人も見えますが、1%の成長も出来ない人はいつか衰退していきます。1%ずつの改革が今後の企業経営に大きな力となるはずです。 ちなみに、毎日1%ずつ成長しますと、計算上100日後には約2.7倍の成長になるのです。環境の変化を好まないのが人間ですが、少しずつ環境の変化へ適応してきたのも人間なのです。