経営破綻を乗り越えて
平成25年6月25日
平成22年1月19日、日本航空は経営破綻をしました。日本航空に勤めている全員が、「まさかJALが破綻するとは、思っても見なかった」と甘い考えを持っていたようです。その様な経営環境をいかにして改善をしたのかが、引頭麻美著「JAL再生」の中に書かれています。その本に企業改革を導くためには、次の3つの要素が必要であると書かれています。
1.リーダーの意識 2.企業文化 3.社員の共感
まず始めにリーダーとしての意識改革です。リーダーと管理者は違います。管理者は、経営陣から与えられた指示を現場へ伝え、適切に現場で作業ができているのか管理するのが仕事です。しかし、これでは会社の価値創造には貢献しません。そこで必要となるのが、リーダーとしての意識です。自ら動いて周囲を巻き込み、結果として企業価値を高められる人材がリーダーなのです。
例えば、綿密な作業計画を立て、そして実行に移したとしても、計画通りには行かないことが多くあります。そんな時に、自ら考えてこれを乗り越えて行く、それは、あらゆる場面においても想定できますから、全ての人にリーダーとしての意識を持つ必要があるのです。
しかし、リーダーとしての意識改革は、決して簡単に行えるものではありません。本を読む事も、人の話を聞く事も必要な事でしょう。何から始めるかを考えることも、大切な修練だと言うことです。
2つ目の企業文化とは、その企業における価値観の事を指します。企業文化は経営者が形成していくものですが、その際には、現場を観察することが必要で有ると言われています。それは、守るべき企業文化と、変えるべき企業文化、そして新しく創るべき企業文化を見極める必要があるからです。
企業文化の構築によって、全ての職員がそれをよりどころにして判断をする事なります。リーダーシップ教育によって、上司からの支持を待つだけでなく、自らの判断の下活動をするようになったとしても、その判断が個々人の価値観から判断をしていては、企業としては成り立ちません。その判断の源となるのが企業文化なのです。揺るぎない企業文化の創造も、経営者としての大切な仕事なのです。
最後は社員の共感です。たとえリーダーとしての意識改革や、企業文化を定着すべく、繰り返し社員の説明したとしても、それが社員に定着しなければ、十分に発揮されることはないからです。日本航空は、経営破綻をしましたので、社員に聞く耳が出来ていた。だからこれほど早く改善がなされたのでしょう。しかし、破綻をしていない企業の社員に共感させるには、並大抵なことでは行かない。だからこそ、経営者としての質が問われることとなるのです。
企業の中で働いている人全員が、一つの方へ向いた時、初めて改善へ向けての第一歩を歩むことが出来たと言えるのでしょう。