迷いの中
                                                              平成26年3月25日

 私達は、迷った時に絶対の自信を持って、判断できることがいくつあるでしょうか。いつもギリギリのところで選択をし、上手くいったり、または失敗をしたりして、その繰り返しの中に、今の生活があるのではないでしょうか。ふと思いますと、人の人生に「迷い」はつきものなのですね。
 「迷う」という感情は、人をだんだんと追い詰めて行くこともあります。迷うからこそ、友人に相談し、専門家を頼ります。さらに現代ではインターネットによって、大量な情報が保管されていますから、この中から、欲しい情報を引っ張り出す人が多いようです。誰もが「迷う」という事は嫌なものだと知っているからです。

 では、この「迷い」から解放される時はいつかと言いますと、時が経過してその結果が出たときです。良くも悪くも、迷いの状態からは必ず解放されるのです。しかし、その先には、また「迷い」が与えられる事があるから大変です。桜咲く季節が来たのか、それとも桜散る季節が来たのか、人それぞれのおかれた環境によって、受け取り方も変わりますので、その感じ方も変わってしまうのですから、厄介なものです。

 しかし、迷ったまま何もせずにいるとどうなるかといいますと、「決断をしなかった」と言う判断をしたことになるのですから、それに応じた結果が出て来ることになります。
 この世において全て因果の法則によって保たれていよるそうです。因果とは全ての出来事は、原因と結果から成り立っている事を指します。宝くじは買わなければ当たりませんし、花は種を蒔かなければ咲かないと言っているのです。でも、同じ原因から同じ結果が生まれるとは限りません。同じように宝くじを買っても、当たる人もいれば、はずれる人もいます。分かっていることは、買わなければ、絶対に当たる事は無いということだけですから、これがまた迷わすのですから、厄介なものです。
 
 「迷い」の感情は決して楽なものでは無く、ハッキリ言って苦しいだけの代物です。そして組織のリーダーはさらにこの「迷い」の数が増えます。自らの判断で、多くの方に影響が及ぶことになるのですから、相当厄介なものです。だからと言って、割り切って判断をする事は決してしない方が良いようです。割り切って判断するとは、本心ではないけれど、「仕方なく」判断をしているのですから上手くいくはずがありません。もし上手くいっても、それは偶然上手くいっただけです。ですから割り切って判断するのではなく、腹を決めて判断をして下さい。現在に至るまでの経緯、自らの経験、そして外部の環境など、矛盾だらけの状態を全て受け止めて、「よし決めた」と判断する。その結果、もしかしたら多くの方に迷惑をかけてしまうかもしれないが、それはまたその時に考えれば良い。これが組織のリーダーたる仕事なのです。

 これからも、多くの迷いが出来た時、自分だけが厄介事を背負ったと思ってはいけません。それぞれ、その立場に応じて誰もが迷いながら生活をしているのですから、みんな同じなのです。