経営をする権利と義務
平成26年4月25日
経営者には、経営をする権利と共に、経営をする義務がある事はご存じでしょうか。
経営者にとって企業の成績の一つである売上は一番気になるものです。そして、売上を増収するために、あの手この手と試行錯誤するのですが、なかなか上手くいかないものです。さらには、どの業界もその市場は徐々に縮まっていく一方です。何もせず待っていては、いつか市場が無くなってしまう業界も有るはずです。グローバル化、少子高齢化、デフレ、増税などあげればきりがないほど多くの課題を抱えている事で経営は難しくなり、経営環境はますます悪化するばかりです。
企業は誰のものかと聞かれたとき、企業は株主のものだと答える人がいます。企業は株主からの出資によって設立がされます。そして、目的をもって企業設立の手続きをする人を発起人と言います。発起人は地域のために必要とされる事業を実現するために、その思いの丈をぶつけます。そして、これに賛同した株主はお金を払ってその企業の株を取得し、発起人はこのお金を使って企業を立ち上げ、運営が出来るようにするのです。
企業の立ち上げが終わりますと、発起人から経営者へと引き継がれ、経営者は株主のお金を預かって経営をする事になります。そして、株主を主体として開催される株主総会は、企業の最高意思決定機関としての役割があり、経営者に対して意見が言える組織なのです。そのため、企業は株主のものと理解されていても間違いではないのです。
しかし、本当に企業は株主だけのものでしょうか。
それは大きな間違いです。なぜなら、そこに集まる職員の方は生活の為に仕事をしています。また、そこへ買い物にやってくる人たちも、その企業を利用して生活をしていますし、企業が仕入れている仕入業者も、企業から利益を得て経営を成り立たせています。こうして考えますと、企業は決して株主だけのものではなく、あえて言うならば、企業と関わる全ての人のものであると言えるのです。
さらに、権利ばかりを主張する経営者では、決してその責任を果たすことは出来ません。企業はまるで経営者の言いなりに動くと思い込み、経営を永続させる義務を忘れ、一時の利益を追求してしまったが為に、窮地に陥るケースは少なくありません。経営者としての義務を果たすためには、並ならぬ決意と実行力を必要とし、どんな状況下におかれても、これの後始末をする覚悟が必要となるのです。
日本には、老舗と呼ばれる企業が多く存在します。企業を継続させるには、理念や事業計画が必要と勉強します。私も理念や事業計画は必要だと思いますが、これら以上に必要なものが「あきらめない」と言う思いだと思います。何が起きても決して心が折れることなく突き進む使命感が必要であると思うのです。その使命感こそが「経営をする義務」であり、私にとっての生きがいでもあるのです。