自分の夢を持つ
平成27年1月25日
自分の将来について、真剣に考えたことがない学生が、大勢いることに大変驚いています。先日、大学生に将来の夢を聞いたのですが、考えたことすらないと言っていたのです。もしかしたら、照れくさくてそう言ったのかもしれませんが、もし本当に夢がない、考えたこともないのだとしたら、現代の教育環境は大きく間違っているのではないでしょうか。
企業経営において理念を持つことは、組織を一つにまとめるためにも、また経営者が迷い苦しんだときの支えにするためにも、とても大切なことであると言われています。
水道の水は加工された価値のある水であるが、公園にある水道の水を通行人が飲んでもとがめられることはない。それは、その量が豊富で安価だからである。松下電器の真の使命も、物質を水道の水のごとく安価無尽蔵に供給して、この世に楽土を建設することである。
この言葉は、松下幸之助が松下電器の創業記念日に、全社員に向けて訴えたものです。これにより松下電器にかかわる人達が、なぜ血のにじむような努力を重ねるのかが明確に定まり、全社員が同じ方向を向くことが出来たのではないでしょうか。
ですから、最近の経営者向けのセミナーでは、企業理念を対象とした内容のものが多く開催されています。
しかし、私は企業理念を持つ以上に、自分自身の理念を持つことが大切だと考えています。企業理念が不要だと言っている訳ではありません。それ以上に、一人一人の夢であり目標である、人生理念を持つことの方が大切だと思っているのです。
ちなみに、私の人生理念は「素直に受け入れ、素直に学ぶ」です。この言葉を他人に話しますと、ほとんどの方が「どういう意味?」ですとか「それによって何か成果がでた?」と思われるかもしれません。人生理念は分かりやすくする必要はありません。他人に訴えて組織をまとめるためのものではありませんので、別に分かりやすくする必要はありません。自分だけがこの言葉に思いがあれば良いし、ましてや物質的な豊かさを求めるためのものでもありませんから、お金が増えただとか成果を求めるものでもありません。それでも人生理念があることで、心を豊かに暮らすことが出来るようになります。
では、どうやって人生理念を持つかというと、自ら追い求める事でしか持つことは出来ません。人生理念は作るものですから、絶対に探していても見つける事は出来ないし、ましてや人から与えられるものでもありません。乾いた雑巾をギュッと強く絞るかのようにして、初めて自分の理念つくることが出来るのです。探していても駄目なんです。
人生理念を作るのにはお金をかける必要はありません。ですが、その効果は絶大です。もしなぜ生きているのか考えたことが無い方がみえましたら、是非この機会に考えてみてはいかがでしょうか。